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2011・3・11日に起きた東日本大震災におけるHS神戸とサポートチームの活動報告です


by aoesupport

てきやさん活動報告6月~9月

ゆっくりと確実に支援活動を続けておりますてきやさんの活動報告です。
今年の夏も災害の多い年となりました。日本が活動期になるのか、
世界的な異常気象が原因かはわかりませんが、常に備えあれば憂い無しだと思います。
てきやさん、今回写真無しのレポートになります。

活動報告 『人間的なかかわりをありがとう。』 てきや

6月26日 南相馬
8月11~14日 石巻牡鹿半島大原へ
9月16日 南相馬
17日 岩手県岩泉町
18日 岩手県久慈市

■台風10号の被害が残る岩手県へ行って来ました。 至るところに壊れた家や道路、
土砂崩れ等があり、片側通行も多く、想像していたよりも被害が大きかったです。
一日目は岩泉町の安家地区のお宅の倉庫の家財搬出と泥出しをしました。
二日目は久慈市内のお宅の庭の泥だしをしました。
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堅い表情から少しずつ表情が和らいでくる家主さんのお顔を見てホッとしつつも、
片付けの途中で去る形にもどかしさを感じました。
岩手県は交通のアクセスが悪いせいもあり、ボランティアが足りていないとのこと、
「もっとテレビで報道してあげて欲しい」と思ったりもしました。
去年水害にあった常総市からの流れなのか、ボランティアセンターで
受け付けを済ませると、マイクロバスやワゴン車で現地まで送迎という形が
主流になってきたようです。
効率的と言えばそうなのですが、ピストンでの送迎のため、出発まで待ち時間があったり……
帰りのバスの送迎時間も14時代前半だったりしました。
「せっかく来たのだからもっともっと作業がしたい!」という気持ちにもなりました。

「ボランティアに行く、ボランティアをする」ということだけがこたえではないとはおもいます。
が…人の手が足りない中…「ボランティアに行く人が増えて欲しいなぁ」とおもいました。
そして、ボランティアという形でなくても『人間同士が、助け合う、思いやりあう、
気遣いあう、わかちあうという領域のなかで、深めあえる可能性がきっとある。
その輪がひろがってほしい。』
被害が残されている岩手の景色を見ながらそうおもう自分がいました。

■南相馬の様子
南相馬市小高区は、7月12日に避難指示が解除されたことに伴い、
住みたい人は再び住める形になりました。 新築の家を建てる人、リフォームする人、
もう住まないからと、家財を処分し、更地にする人、
今は住む決断ができないけど生まれ育った家はきれいにしておきたいと、
ボラセンに草刈りをお願いする人…小高区を色々な業者の車が走るようになりましたが、
戻る人の少なさ、目立つ空き地、残っているであろう放射能、減り続けるボランティア…
複雑な状況が見え隠れしています。
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6月26日はいっちーと一緒に南相馬で活動しました。午前中は小高区にあるお宅への
引っ越しのお手伝いでした。家主さんから、「ホッとしました。ありがとう。」
と何度も言っていただき来て良かったなと思いました。
午後は、家財の処分の片付けでした。
宮城県に避難して住んでいる家主さんでした。「住むかどうか決めてないけど、
リフォームはする。中にあるものはみんな処分してほしい。戻ったとしても俺しか住まない。」
 まだ使える女性用の洋服やバッグ、子供のおもちゃ、テレビゲーム…
それらを分別しながらトン袋に詰めていく作業でした。

「…ここも家族がバラバラに…」

いかりとかなしみの宿る目に微笑を浮かべながら、繰り返しボランティアに
「ありがとう」という家主さんの「戻ったとしても俺しか住まない」ということばが
しばらく耳に残りました。
南相馬にも行きたかったけど、間が空いてしまった…
9月16日、岩手入りの前に南相馬で一日活動しました。 
側溝の泥だし→物置の移動→庭の草刈りと3つの現場を慌ただしく回りました。
庭の草刈りの現場にはたくさんの盆栽があり、それも処分してほしいとのこと、
違和感を押し込めながらチェーン・ソーで細かく裁断し、土を払い、トン袋に詰めました。

松本センター長はボランティア不足でやりくりがいろいろ大変そうでした。
「5年経っても心の奥にしまってあるだけで被災者の傷は癒えてはいない。
こちらから質問したり、話しを聴こうとするのはやめてください。」との
松本センター長のことばが印象に残りました。
不利な状況が続く小高区………南相馬はまだまだ終わらない感じです。
行けない月もあるけどこれからも行き続けたいとおもっています。

■石巻牡鹿半島大原の様子
8月11日~14日大原の人たちに会いに行ってきました。 
おがた棟梁と再会し、農作業をしていた阿部副区長さんにあいさつして、
いつものように小野寺さんや石森区長さん宅でご飯をごちそうになり、
更に石森区長さんには、船を出していただき、再び釣りに連れて行ってもらってしまいました。
仮設住宅は取り壊され、大原を離れる人、復興住宅に住む人、それぞれの道を歩む人が
いて時の移ろいを感じました。仮設から復興住宅に移ったゆきおさんの家にも
連れて行ってもらいました。野菜炒めを作ってもらいました。
その日はたまたまお昼を食べ損ねて夜になっていたこともあり、ゆきおさんの気遣いもうれしく、
すごくおいしく感じた野菜炒めでした。「またいつでも遊びに、泊まってもいいから」と言ってもらい、
うれしいひとときでした。

石巻で人に出逢い、南相馬で生き方を学び、熊本や岩手で人とふれあうことができたようにおもいます。
いろいろある中で、こうして人間的なかかわりが持てることがとてもうれしくありがたくおもいます。

  てきや
by aoesupport | 2016-11-12 16:00 | 活動報告など