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2011・3・11日に起きた東日本大震災におけるHS神戸とサポートチームの活動報告です


by aoesupport

てきやチーム牡鹿大原での活動(9月23日~25日)

『絆のバトンを未来へ』

9月のてきやチームは職場関係で出逢えた、斎藤さん、はじめちゃん、いっちー、
やまちゃん、それとAOEのばにーちゃん夫妻、ばにーちゃんの職場の川口さん、
そして小学校3年生のばにーちゃんの息子の天馬君の9名でした。
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7月にてきやチームに参加したばにーちゃんから、『清田君、いい経験を
させてもらったよ。次は私の子供も連れて行って、一緒に作業したい。
今の石巻を今のうちに子供に見せておきたいんだ。将来災害が起こった時に
きちんと動ける人になっていてほしいんだ。
清田君、今度は、うちの天馬も連れて行ってくれないかなぁ』と頼まれました。
ばにーちゃんとはAOEに入る前からのボラ仲間です。
自分が、板橋で一人暮らしをしていた車椅子のおじいちゃんを銭湯に連れて行く
お風呂当番を、ばにーちゃんは料理当番をしたり、その他いろいろなボランティア
活動を一緒にしつつ、いろいろ語り合ってきました。

あれから20年近い歳月が流れて。『よし、天馬君にいい大人の背中を
見せよう(^-^)、でも酔っ払いの背中になっちゃうかもなぁ』
と笑いあいました。


しかし出発前日の状況は、深刻で、台風15号が復興途上の石巻も容赦なく襲い、
石巻各地で冠水や土砂崩れが起こり、各所で通行止めとのこと、
大原地区も沢や川が氾濫し道路が土砂に埋もれたとのことでした。
先発した兄貴分のカメラマンの小西さんから、応援要請を受けるも、
もう一雨ないし、余震があれば、緩みきった地盤は2次災害が想定され
てきやもチームリーダーとして中止を含めて判断に迷っていました。
前日の夜、こもゆうさんとも電話で協議し、石巻大原へ向かう方向で考えつつ、
危険であれば引き返すことも視野に入れることにしました。
てきやチームは23日14時過ぎに赤羽を出発し、土砂崩れや冠水した後を
見ながら大原に到着したのは22時30分頃でした。
夜のうちに小西さんが、トラックに乗せてくれて、大原エリアを回ってくれて、
被害状況をつぶさに教えてくれました。

川と沢が氾濫し、道路に土砂があふれた。平さんの畑も泥に埋まってしまった。
たけさんの仮設住宅も浸水してしまった。いつもの大原ではない・・・
そしててきやがお世話になっている、棟梁の家も仕事場にも、土砂が押し寄せていて・・・
今までの僕は、やっぱり人ごとだったのかもしれないと思いました。
 『泥や瓦礫を少しでも撤去できたらお役に立てたんだと・・・』
でも、いっぱいいっぱい、お世話になって、大好きな尾形棟梁の家と作業場が泥に
埋もれている様を見た時、腹の底から怒りがこみ上げてくるのを感じました。
 『なんで、こんなことが起きているんだ・・・』
てきやチーム牡鹿大原での活動(9月23日~25日)_b0213209_1350620.jpg

翌日、小西さんが棟梁の作業場を、こもゆう・てきやチームで棟梁の
自宅周辺を片付けることになりました。 いつもより、スコップを握る手に
力が入っていることを感じました。棟梁の家の庭、駐車場の泥出しと
埋まってしまった周辺の側溝の泥だしと、次の災害にそなえての土嚢積みと。
最後は小西さんの応援により、棟梁の庭に積み上がっていた瓦礫の撤去
にも着手できました。天馬君も大活躍で、みんなをなごませていました。 
てきやは突き出ている腹を何度もパンチされましたが。疲れた表情のなかの
少しほっとしたような棟梁の顔を見て、来て良かったなぁと思いました。

日曜日は、朝出ても夜になる位時間がかかるので、いつもは泊まらせて頂いている
周辺を清掃等して失礼するのですが、まだやってほしい作業があるとのこと、
てきやチームの精鋭たち、はじめちゃんといっちーとやまちゃんと
お昼の12時まで作業をして牡鹿に踏みとどまることにしました。
こもゆう・てきやチームで何度も活動した谷川地区のお寺。
住職さんより、沢の水を引いてトイレや手洗いの水にしていたのに、
台風の後、出なくなってしまったとのこと、お彼岸のお墓参りの人たちも
見えるので、早急に復旧してほしいとのことでした。
土砂、岩、木をどけて掘り、沢の流れを変え土嚢を作る作業の繰り返し・・・
小西さんがいてくれたので心強かったです。 水が通り、後はパイプを
つなげば大丈夫になったことを見届けて、センターへ戻りました。
区長さんが笑顔で迎えて下さり、おにぎりをご馳走になりました。

月曜日、大原に残留していた小西さんからメールが届きました。
パイプをつなげて水が通った。住職さんも棟梁も喜んでいるよ、と。
思わずてきやもうれしくなり棟梁に電話しました。 
『水が戻って良かったです。てきやもうれしいです。』
『んだ んだ よかったねや』
『棟梁、てきや10月下旬にまた行くからね。』
『てきやさん 待ってるよ』  うれしいひとときでした。
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ばにーちゃんがてきやにくれたメールです。--------
「この状況で、私たちのようなものが参加させて貰えて、迷惑な部分も
多々あったと思うけれど、清田君はじめみんなが気持ちよく受け入れて
くれて感謝しています。特に、清田君は、リーダーとして、色々心配が
絶えなかったでしょうね。ごめんね。そして、本当に有り難う。
お陰で、天馬は最終日に清田君たちに付いていきたい、もっと作業したい
というほどいい経験が出来たようです。みんなで一緒になって汗を流したり、
誰かの役に立てることが嬉しいと思えたのでしょう。
「棟梁の家の川が通って良かった」とか、帰りには、斎藤さんに
「台風はとどめみたいにみんなの気持ちを辛くさせたんだよ」なんて
一人前の顔で言ってました。
今回得られたその気持ちを未来に継いでいってほしいなと思った瞬間でした。」
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長くなりました。最後にひとつだけ言わせて下さい。
人は災害には勝てない。でも、災害が起きた後どう動くか?人は選択できる。
天馬君の世代にも絆のバトンを手渡したい。

今後のてきやチームの活動予定は10月28(金)夜~30日(日)
11月25日(金)夜~27日(日) を予定しています。
おかげさまて゛てきやが個人で始めた活動がチームとなり、
固定メンバーもできてきました。車を出して参加してくれる方も大歓迎です。
いろいろありがとうございます。
by aoesupport | 2011-09-30 22:00 | 活動報告など